・学歴は、家庭での野菜の摂取量と相関関係があるということ

・緑黄色野菜の摂取量は、母親の学歴で差が出る

・高学歴と低学歴の層では、その家庭のメンバーの野菜摂取量に20gの差がある

・野菜摂取量の差は、野菜摂取に対する意識・知識の違いなのか、技能や時間的余裕などの問題なのかは、今後明らかにしていく必要がある

 つまり、高学歴の母親を持つ子どもは野菜の摂取量が多い傾向にあるということ。これ、ある意味ショッキングなニュースではありませんか?

 当たり前ですが、子どもは親を選べないのです。

 しかしながらどんな親にも子の健康を願う権利は平等に与えられています。

 この結果によって、野菜を食べたから子どもも高学歴になるということまでは言及できませんが、心身の成長や体力の向上、健康増進の観点において有意義な影響を与えることは容易に想像ができるでしょう。

 しかしながらここで考えるべきは、親の学歴に左右されることなく、子どもたちが健康的な食習慣を身につけて、健やかな心身を育むことの重要性について。

 野菜不足が社会課題になっている現代において、親の学歴などに左右されずに、無理ない工夫で野菜を摂取したいと願う家庭は少なくないと思うのです。

 私は日々食育研究をする中で、野菜摂取のコツは母の食卓にあったことを思い出しました。母は私たち子どもたちに野菜を食べろと言ったことが一度もなかったのです。

 私は自分が親になって小学生の子どもを育てていますが、母のスタンスをアップデートして我が子に実践しています。それでは具体的にどのような意識を持って、どんな料理を作っているのか、誰でも今日から実践できる工夫ですから、気軽な気持ちで読み進めてみてください。

◆母が「野菜を食べろ」と言わなかった理由とは?

麻婆茄子
母がよく作ってくれた麻婆茄子。ナスと肉の他の具材の方が多いのが母の味でした
 結論から先に申し上げれば、母が重視していたのは、「野菜を特別扱いしないこと」でした。