将来の年金がどのくらいもらえるのかわからない中、老後に貯金が底をつく「老後破産」の心配をしている方は多いと思います。老後破産に陥る家庭にはいくつか共通点がありますので、特に40代以降の方は自分が当てはまっていないか確認してみましょう。

住宅ローンの返済で退職金をあてにしている

(写真=PIXTA)

老後の生活費の柱は、年金と貯金、そして退職金の3つです。住宅ローンの返済に、この中の1つである退職金をあてにしている人は要注意です。老後資金に回せる退職金が減るのも問題ですが、この場合繰上げ返済ができない状態の家計、つまり貯金も少ないケースがほとんどだからです。

独身の時の貯金ゼロ

最近では初婚年齢が高くなる晩婚化が進み、30代後半での結婚も珍しくなくなりました。結婚自体はおめでたいことですが、さらに40歳前後で子供が生まれると、定年までの20数年で住宅ローン返済、教育資金、そして老後資金の準備と、大きなお金が必要になるイベントが重なります。

結婚時点で貯金ゼロでは老後資金の準備が困難になるのは明白です。遅くとも30歳からは独身でも将来のためにお金を貯め始めましょう。

 

子供が独立して生活が贅沢になる

(写真=PIXTA)

子供が自立してから夫婦が退職するまでの期間は、老後資金を貯める最後のチャンスです。しかし、ようやく子育てが終わった解放感から、この時期に生活レベルを上げてしまう人は多いものです。退職前に上がった生活水準は退職後もなかなか下げることはできません。ある程度は自分たちのためにお金を使うのは仕方のないことですが、あくまで老後のための貯金ができる範囲内で贅沢をしましょう。

老後を念頭においたお金の管理を

(写真=PIXTA)

老後破産に陥る人の共通点を3つご紹介しました。中には当てはまる項目が複数あった人もいるかもしれませんが、問題を自覚し今からでも少しずつ改善していけば、その分老後の不安は解消されます。ぜひ老後を念頭においたお金の管理を始めましょう。

 

文・松岡紀史
肩書・ライツワードFP事務所代表/ファイナンシャルプランナー
筑波大学経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代の時1年間滞在したオーストラリアで、収入は少ないながら楽しく暮らす現地の人の生活に感銘を受け、日本にも同様の生活スタイルを広めたいという想いから、 帰国後AFPを取得しライツワードFP事務所を設立。家計改善と生活の質の両立を目指し、無理のない節約やお金のかからない趣味の提案などを行っている。

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