また、「温水洗浄便座を使ったからといって痔になるということもありません。洗浄シャワーを使用した際に、もともとあったのに気付いていなかった傷がしみて、『痔になった!』と勘違いした人がいたのかもしれませんね」とのことでした。

◆おしりのために大切なこと

おしりのために大切なこと
 必要な時にだけ、適切な時間や水圧で使用するべきという温水洗浄便座。毎回使う習慣になっていると、ペーパーだけで拭き取れているのか心配になることがあるかもしれません。

 山口先生は、「肛門周辺の細菌が陰部へ移ると膣カンジタなどを起こすことがあるため、前から後ろへ拭くようにしてください。ただ、ごしごしこすらなくても、肛門にペーパーをあてるだけで周りの汚れは拭きとれますよ」と、汚れが付かなくなるまで“抑え拭き”をするのが正しいおしりの拭き方だと教えてくれました。

 ただそれ以前に、女性は硬い便による切れ痔が多いこともあり、「おしりの負担やトラブルから考えても、洗浄シャワーを使用しなくてもいいような、肛門周辺が汚れない“いい便”を常に出すことが大切です」と山口先生。温水洗浄便座の使い方を気にするよりも、便通を整える生活を意識することが先決のようです。

【山口トキコ】

マリーゴールドクリニック院長。日本大腸肛門病学会専門医。東京女子医大大学院卒、東京女子医大一般外科医局での研修を経て、社会保険中央総合病院・大腸肛門病センターに6年3ヶ月勤務。2000年に東京都港区赤坂にマリーゴールドクリニックを開業。

<文/千葉こころ>

【千葉こころ】

自由とビールとMr.Childrenをこよなく愛するアラフィフライター&編集者。

人生後半戦も夢だけは大きく徒然滑走中