特定の恋愛インフルエンサーのLIVE配信を毎日聞くなどして、「男性から選ばれる女性になるために○○しなければ」といった、様々な思い込みが加速していったそうです。

美咲さんの話から少し逸れますが、婚活ノウハウを見すぎると迷走する構造を解説します。

婚活がうまくいかない人には、色んなタイプがいます。しかし婚活のアドバイスというものは、必要な人に正しく届くとは限りません。

アドバイスが「必要な人に届かない」仕組み
例えば、婚活女性を以下の2タイプに分けたとします。

① どの男性と会っても「ピンとこない」と、全て断る女性

② どの男性も「いい人かもしれない」と、会った男性を断れない女性

①の「断る女性」向けの“ピンとこなくても一度は会ってみよう”といったアドバイスが②の「断れない女性」に響いてしまって疲弊を加速させたり、その逆で、「断れない女性」向けの“違和感は無視しない方がいい”というアドバイスが「断る女性」に響き、高望みをさらに正当化してしまったり、ということがよく起こります。

どちらかといえば、美咲さんは②の「断れない女性」だと思います。自分から申し込み(編集部注:結婚相談所における、相手に会ってみたいという意思表示)もして積極的だと思いますが、恋愛経験もなく真面目であるがゆえに、婚活ノウハウが自分を責める材料にもなりやすいようなのです。

◆本当の自分とかけ離れた“婚活服”でいいのか

そのころ、美咲さんは筆者のところへ婚活の相談にいらっしゃいました。当時の美咲さんは結婚相談所のアドバイスに則り、ウエストリボンのパステルカラーワンピースにパールアクセサリーを身につけた、大人しそうな服装をしていました。

それがご本人にとってしっくり来ていないことがわかり、「美大卒のデザイナーなのに服も髪型も大人しすぎてクリエイティブ職の人に見えないから、デザイナーに見えるようにしませんか」「婚活ノウハウ断ちして、今は回復に集中しよう」とお伝えしたのです。