四段の場合、上から順に「一の重」「二の重」「三の重」「与の重」と呼び、四段目には「死」を避けて「与」という文字を使います。そして、それぞれの段には詰める料理が決まっています。

また、おせちは奇数が縁起が良いとされるため、21種類など奇数の種類の食材を詰めるのが一般的です。各重も奇数で飾り付けることで、よりおめでたいものになります。

一の重に詰めるもの

「一の重」は「祝い肴(いわいざかな)」で構成されており、不老長寿や子孫繁栄、家内安全などを願う意味があります。

おせち料理の最上段に位置する「一の重」は最初に開ける段であるため、祝いの場にふさわしい酒の肴が詰められるのが基本です。

この祝い肴は三種類が定番とされ、「三種の祝い肴」とも呼ばれます。関東と関西で少し内容が異なり、「数の子」と「黒豆」は共通ですが、関東では「田作り」、関西では「たたきごぼう」が選ばれるのが特徴です。

一の重は、あまり変わりはありませんが、与の重まで整えることも珍しくなったこともあり、二の重以降は地域や家庭によって何を詰めるかが異なる場合もあります。二の重以降は一例として参考にしてください。

二の重に詰めるもの

二の重に詰めるのは「焼き物」が中心で、メイン料理がならぶ華やかで色どり豊かな見た目が特徴です。出世祈願が込められた「ブリ」をはじめ、めでたさの象徴である「鯛」や長寿を願う「海老」といった海の幸、さらには肉料理を入れます。

また、三段のお重が使われる場合には、「酢の物」は二の重に入れると良いでしょう。

三の重に詰めるもの

三段目のおせち「三の重」は、「口取り」「酢の物」で構成されることが一般的です。

「口取り」とは、「八寸」と呼ばれるもので、会席料理の際に最初に出される料理のことです。おせちでは、「きんとん」「伊達巻」「昆布巻き」「かまぼこ」など華やかで、甘い味付けが多いのが特徴です。甘いと日持ちするという利点もあり、おせちには欠かせない品でもあります。