あとは、昔のヴィレヴァンの雰囲気をよく知っている、ベテランの社員や店員さんたちが退職されてしまった、というのも大きいと思います。人手不足や労働環境の変化などもあると思うのですが、結果的におもしろい店員さんが少なくなってしまったのは大きな痛手ですね」
――ヴィレヴァンらしさを作っていた世代の方が減ってしまったのですね。
ヴィレ全「あとは、ヴィレヴァンという特殊な空間の魔法がかかりにくくなった時代背景もありますね。創業者の菊地敬一さんが、自分の好きなものを集めてできたお店がヴィレヴァンです。ヴィレヴァンのあの独特な空間に入ると『こんなのだれが買うんだろう?』という商品も、ワクワクや期待でつい買ってしまいますよね。変な商品や割高な商品でも、買ってしまう魔法の空間だったと思います。
でも、今はインターネットでどんなものでも買えますし、値段もすぐに調べられます。その結果、相場はよくわからないけど、ヴィレヴァンに来たらとりあえず買っちゃう、という空間の魔法が解けてしまったのかもしれません」
◆大型ショッピングモールのヴィレヴァンは「個性がない」?
――他にも、大型ショッピングモールへの出店が進んだことで、独自のおもしろさがなくなり、売り上げが減ったという意見も多く見られました。
ヴィレ全「ヴィレヴァンがイオンなどの大型ショッピングモールに進出したことは、マーケティング戦略として間違っていないと思います。集客力の高いイオンに出店することで来店客数が増え、その分売り上げも上がります。実際、現在のヴィレヴァンの売り上げの大半は大型ショッピングモール店舗からのものです。利益率も良いようですね。