――株主総会にも出ているとは! 熱狂的なヴィレヴァンファンですね!
ヴィレ全「僕は地方出身なのですが、学生のときにヴィレヴァンと出会って人生が変わりました。情報が少ない田舎で鬱屈(うっくつ)としていたのですが、ヴィレヴァンに行けば、必ず新しい発見やワクワクが見つかりました。僕の世界を広げてくれる、最高の居場所だったんです。大好きなお店ですし、今も感謝の気持ちでいっぱいです。
ただ、僕の考えはあくまで全国をまわり、関係者の方とお話しする中で感じたことですので、その点はご理解いただければと思います」
◆経営不振の理由、ヴィレヴァンのファンはどう捉える?
――全国の店舗をまわったうえで、なぜヴィレヴァンは経営不振に苦しんでいると思いますか?
ヴィレ全「SNSやネットニュースでいろんな記事が出ていますが、コロナが大きなきっかけだと思っています。コロナで売り上げが落ちたまま、回復できずに赤字を引きずり続けています。
ヴィレヴァンはユニークな商品を各店舗が独自の裁量で仕入れていて、それが『なんで、こんなもの置いてあるの?』というヴィレヴァンらしさに繋がっていました。店員さんの個性や趣味が、それぞれの店舗の雰囲気を作っていたんです。でも、コロナ禍以降はお店に並んでいるものが、どの店舗も同じになってしまいました。僕自身も、『昔は店舗によって置いてある商品が違ったのに……』と感じていました。
それで、株主総会で白川篤典社長に質問させていただいたんです」
――なんと! 社長に直接質問されたんですね。
ヴィレ全「はい。白川社長からは、コロナでお店に来られるお客様が減り、確実に売れる商品を仕入れようという方針に変わった、との説明がありました。在庫を抱えないために、確実に売れる商品を、本部が一括して仕入れていたようです。『最近のヴィレヴァンは、昔と違っておもしろくなくなった』と言われる背景には、そうした理由があります。