中国における会食は、日本の会食以上に大きな意味を持っています。人脈を固めるため、または、一族結束の大切な“儀礼”を兼ねているからです。ホストと客は、はっきり色分けされ、互いにその立場を尊重します。支払いはホストが行い、客は盛大に食べ散らかし、少し残すのが礼儀でした。その中国的食事の風景が、劇的に変わろうとしています。

衝撃の美食レポート

2018年新春、衝撃的なレポート「2017年中国美食報告(中国烹飪協会)」が発表されました。外食はやはり伝統的中華料理と答えた人の比率が、若い世代で激減していたのです。

70后(1970年代生まれ)…92%
80后(1980年代生まれ)…68%
90后(1990年代生まれ)…19%

80后と90后との差は、ジェネレーションギャップ以上のものがありそうです。それでは90后は何をお好みなのでしょうか。

ケーキ甘味店…25%
バー    …21%
中華料理店 …19%
西洋料理店 …13%
ファーストフード…12%
喫茶店   …5%
その他   …5%

となっています。中華料理は埋没し、もはや多くの選択肢の一つに過ぎません。

宅配も若者がリード

もう一つの伝統破壊者は宅配です。この市場がスタートしたのは実質2015年でした。それが2019年には利用者4.6億人、市場規模は、6,536億元(約12兆円)に成長しました。ここでもリーダーは若者です。ユーザーの年齢分布を見ると、

18歳以下 5.1%
18~25歳 36.1%
26~30歳 22.5%
31~35歳 16.9%

と35歳以下が約80%を占めています。また「残業で遅くなったとき、夕飯はどうしますか?」という質問に対し、

宅配を頼む 57.0%
近くのレストランで食べる 21.4%
帰宅して食べる 13.5%
その他 8.1%

と答えています。宅配は残業の大切なパートナーです。