離婚調停は弁護士に依頼した方がいい?

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離婚調停は、法律の専門家である弁護士に依頼することもできます。依頼したときのメリットはどんなところにあるのでしょうか。

弁護士に依頼したときのメリット3つ

先にお話ししましたように、離婚調停自体は自分でも行えます。それでも弁護士に依頼して離婚調停を行うメリットについて、筆者なりに考えたことを3つ挙げてみます。

1. 本人に代わって調停委員へ説明・対応をしてもらえる
本人がしっかりと自分の意見を述べ、主張を通すことができればいいですが、多くの場合、調停のような場面は初めてという方が多いはず。緊張しすぎてよく分からない、あるいは混乱して自分の言いたいことを十分に話せないまま終わってしまうことが少なくありません。

法的な問題が関係して複雑な事案の場合は、本人だけでの対応自体が厳しいこともあります。そんな場合でも、弁護士に同席してもらえば、主張を代弁してもらう、場合によっては、調停委員の意向をただしてもらうこともできます。

2. 調停手続きの整理をしてもらえる
特に中途で弁護士が依頼を受けて入ったときにありがちなのが、調停委員が一方(あるいは双方)の意向に振り回され、複数のことが中途半端に話し合われて混乱しているケースです。

弁護士がいれば、調停委員とともに双方の主張を整理しつつ、優先的に解決すべき事項(例えば生活費の支払い)を先に決め、条件面の整理を進めるといった道筋をつけることができます。

3. 調停への出席が難しい場合に、代理で出頭して対応をしてもらえる
本人が仕事のため出席が難しい、あるいは病気や海外にいるという理由で出席できない場合に、弁護士が代わりに出頭して対応をすることもあります。ただ、離婚成立のときは本人が出頭しなければならないので、ご注意を。

弁護士に依頼したときの費用は?

普通は離婚の話の進め方を含めて、まずはアドバイスを得たいという場合が多いでしょう。法律相談料は弁護士事務所ごとの基準によりますが、おおよそ30分あたり5000円前後です。中には、無料で相談を行っているところもあります。

弁護士事務所によって異なりますが、離婚調停を依頼する場合の費用は20万~40万円くらいが多いでしょう。通常は着手金といって、相手に求める金額などに応じて決める費用を手付けのような形で支払い、離婚調停の終了後、本人が受け取ることになる金額(あるいは請求されていた分で支払わずに済んだ金額を含む)を基準に成功報酬を支払うパターンが多いです。

なお、収入が少なく資産もない場合には、法テラス(正式名称は日本司法支援センター)という公的な機関によって、弁護士費用を立て替えてもらえる制度を利用できる場合もあります。

詳しい費用については、実際に相談をしてみたい弁護士事務所に問い合わせてみましょう。

後悔しない離婚のために“備えて臨む”ことが大事

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離婚は、特に小さい子どもを抱えている場合には、将来にわたってお金のことなどを考えなければならず、大きな選択となります。精神的な負担もある中、いかにベストに近い結論に持ち込めるかが重要です。

離婚するにあたっては、さまざまな情報を仕入れるとともに、「どう進めるべきか」がポイントになります。後悔しないためには、弁護士のアドバイスもよく聞き、“備えて臨む”ことが必要になるでしょう。

文・片島 由賀(弁護士)/DAILY ANDS

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