韓国人のキムチ消費量減少、輸入量増加
政府系機関「世界キムチ研究所」が今年6月に発表した「2015年度キムチ産業動向」によると、2015年度1年間の韓国内のキムチ消費量は1600万6000トン。1人1日あたり約62.9グラムだった。2010年は同約71.4グラムだったことから、5年間で11%も減っている。
同研究所が1905人を対象に、1年間でキムチを食べた回数について尋ねたところ、「一度も食べなかった」と答えた人は2.5%に上ったという。その理由として「パン類など西洋式食事が増えたため」「朝食を食べなかったり米飯を食べなかったりするケースが増えたため」などが挙がったが、日本でも同じ経緯があるので、特段、驚くことはない。
しかし、「特異なにおいや食後の美観上、私生活に負担になるため」という理由が挙がったのは特筆すべきことかもしれない。伝統の味覚について「特異」、歯に付着した唐辛子やニンニクのにおいを「私生活に負担」と言うのは、時代の変化の表れなのかもしれない。
キムチの輸出入にも変化が生じている。ここ数年、輸出が減り、輸入が増えているのだ。輸出は2010年に2万9672トンだったのが、2015年には2万3112トンと22%も減少。一方、輸入は19万2936トンから22万4124トンと16%増えた。驚くべきことに、2000年の輸入は473トンしかなく、2015年のなんと474分の1だ。
注目したいのが、輸入のほぼ100%が中国産であることだ。当然、価格は安い。国民食とされる食材で、価格の高い自国産と、価格の安い中国産では、その味の差は歴然。流通量がかつての474倍ともなれば、さすがに「あれ、なんか最近のキムチ少しおかしいぞ」となる。こうした味の劣化も、韓国人のキムチ離れの一因になっているのかもしれない。
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