当サイトがシーズン1放映中の昨年3月に佐野さんと沖田さんの対談を取材した際、続編の可能性を問われて、佐野さんは「桐谷さんとも現場でずっと続編の話をしていて、『次はタイあたりで撮りたいなぁ』って」と語っている。この場にいた沖田さんは、その後、前述したラジオも聞いており、タイで撮影したいという2人の願望を汲み取っていたのだろう。続編実現へ向けた仕掛け人として奔走した沖田さんが、藤井さんとともに、積極的にその舞台を整えたであろうことは想像に難くない。

 佐野さんはイベントでも「健太さんと続編に向けて、発展した話をしていたことが、今作ではほとんど叶った。『言霊』ってあるんだなと思いました」と感慨深く語っており、言葉にし続けることで、夢が達成に向けて動き出すという特別なエネルギーを実感したようだ。

 このように思考は現実化する。「引き寄せの法則」を持ち出す必要までもなく、想いは相手に届くものだ。
 
 桐谷さんが披露してくれた、『闇を生きる~』の主題歌になっているB’zの『鞭(むち)』にまつわるエピソードからも、それを感じさせてくれた。

「続編をやると決まったときに、あらためてシーズン1を見直してみたら、主題歌がなかったんです。その時、今回はB’zさんにやってもらいたいと、ビビビと来たんです。そこで藤井さんにも相談したあと、偶然か必然か、おそらく必然なんですが、B’zさんの知人の方と知り合うことができたんです」(桐谷さん)

 その後、この知人を介して、B’zとの交友を深めた桐谷さんは、満を持してテーマ曲の依頼を実行。すると、B’zの2人はシーズン1を鑑賞して気に入ってくれており、オファーを快諾してくれたというのだ。「稲葉さんはシーズン1を見て、物語にあった歌詞を書いてくれました」(桐谷さん)というだけあって、『闇に生きる~』における『鞭』のハマり具合は秀逸。作品が持つ熱量とテンポをさらに押し上げる効果を見事に果たしている。