また、佐野さんによると、この囚人役のコワモテたちは撮影が延び、お昼ご飯の時間が押したことで明らかに怒っていたようで、「みんないい人たちなのですが、素肌のほうが少ないくらい肌に色々描かれていて、タイ語で不満を漏らしているんだけど、その様子がとても怖かった」そうだ。

 そして、劇中のポンコツさながらに、気弱そうなエピソードを披露する佐野さんに対して、莉子さんも容赦なくエピソードを被せる。

「佐野さんが、お風呂からパンツ一丁で出てきて、私の前で慌ててバスローブで隠すというシーンがあったんですけど、3回目くらいの撮影になると全然隠せてなくて……お互い大爆笑してました」

 対して、佐野さんは「タイの暑さで麻痺してて、隠す気もなくなっていて……かわいい柄のパンツだったし」と、見事(?)な切り返しを見せていた。

 一方、逢坂監督は「佐野さんには、ドブ川に落としたり、裸にしたり、拷問したりといろいろ無茶ぶりをしたのですが、NGなしですべて体現してくれました」と、その役者魂と評価。佐野さんは「藤井さんや(逢坂)元さんはドSで、僕がドMかもしれないです(笑)」と切り返し、「プライベートも含めて、スタッフとの信頼関係があるからできたこと」と振り返った。

 ちなみに、そのほかの「マル秘エピソード」として、池内さんは「タイで自分と同じ大きさのイグアナみたいな生物に遭遇したこと」、二宮さんは「(国内で)夕方から朝にかけての過酷な撮影があったのですが、スタッフがみんな『タイのほうが辛かった』『タイの方が……』と、タイ、タイ言っていたのが呪文のようで。タイでの過酷さを乗り越えてこそ、日本パートでの撮影を自信をもってやれている現場が気持ちよかった」と語り、ここでも『インフォーマ』チームの力を高く評価していた。

 この後も、イベントでの各々のトークは盛り上がり、沖田さんが池内さんに対して、「同じ1976年生まれだったので、池内さんからは撮影中に『同級生ですね』と何度も言われたんですが、実は自分は2月生まれ。いい年しながら、内心は常に『俺のほうが1学年上なのに』と思いながら、それを言えずにいました」と告白し、笑いを引き起こしていたかと思えば、そんな沖田さんが実は、原作となる小説の土台をわずか1カ月で書き上げたという逸話を藤井さんが披露。