◆人種差別を経験、トイレに閉じ込められたことも
――パリでの修行はどうでしたか?
小住「ケーキも作れないしフランス語もしゃべれないうえ、パリはパティシエのスーパースターが揃う街だったので最初はビビリました。でも、実際にパリのケーキ屋でケーキを作ったら思いの外うまくできたんです。上手にできて褒められたら嬉しいですし、『自分でもできる』という自信が楽しさにつながっていきました」
――突然のお菓子留学だったのに、順風満帆だったんですね。
小住「いえ、とにかく辛かったです。大金をあげるからフランス時代に戻れと言われても『絶対に嫌だ』と言います。アジア人だからという理由でいろんな人種差別を受けました。職場のトイレに閉じ込められ、水をかけられたこともあります。職場で何かトラブルが起きると、知らないうちに僕のせいにされて場がおさまることもしょっちゅうでした」