◆信念と生活は別モノ

「そうやって肉との付き合い方を見直していったら、生活というものは、信念とは別のところにあるという結論になりました。自分ひとりの生活じゃないんだから、これからは暮らしをもっと合理的に考えねばならんと。そうしているうちに流通に乗っかった肉を消費することを、ずるいと思う感覚も消えていきました」

数年ぶりに肉を口にすると「これこれ、懐かしい!」という感覚が弾けたという。体調は、肉を食べても食べなくても変化は特になかった。

ヴィーガンを実践した後に辞めた有名人の体験談は巷にたくさんあり、一例をあげると映画『プラダを着た悪魔』でブレイクした俳優アン・ハサウェイは、会食でサーモンを食べ「脳内でコンピューターが再起動したような感覚を覚えた」と語った。

筆者が過去に取材した女性の場合は、玄米菜食で常にイライラして疲れやすかったところ、動物性タンパク質をとるようになって体がとても楽になったと話していた。人それぞれである。