◆なぜ沼から抜け出せたのか

「私の時代は情報が書籍メインで、そうした本にはヴィーガンやベジタリアンとして生きることのリスクってあまり書いていなかったように思えます。もちろん、自分の考えを補強するような本ばかりを手にするからだというのもありますけど」

いるみるくさんさんのヴィーガン生活は基本「ソロ活」だったことも、沼抜けしやすい要素だったのでは、とふりかえる。

「私はここ数年ダンスをやってるんですが、ファーを使って衣装を作ると、動物愛護の観点から目くじら立てて怒る人がいる。私の先生も『本当は私にもファーを使った衣装作ってほしいけど、使ったら何言われるかわからない』なんて言ってますね」

ヴィーガン体験談202303-3c
「その是非はさておき、コミュニティに属してしまうと何かしらの同調圧力が発生する、ということだなと。私がベジタリアンやヴィーガンをやっていたときはソロ活だったので、そうした圧力からは解放されていた。だからちょっとしたきっかけで、簡単に沼抜けできたのかもしれません」

当時はヴィーガンがあまりメジャーでなかったので仲間が見つかりにくかった。SNSが発達していなかったことも大きそうだ。