◆ひよこなら自分の手で…

「調理師免許をもっていたこともあり、私が食事を担当していました。するとしばらくして、友人が『ちょっとお肉も食べたい』と言うようになったんです。たしかに菜食生活で、友人が具合悪くなっちゃったらかわいそう。じゃあ自分が殺せると思う範囲の鶏肉あたりからはじめてみるね! となりました。卵を手にして『ひよこなら自分の手で処理できるよな』と確認して、調理する」

これは自分の残虐性を確認しているのではなく、「肉を口にするなら動物を傷つける精神的苦痛も引き受けなければならぬ」と考える、いるみるくさんのヴィーガン的信念だ。処理されてスーパーでパックされた段階からしか肉に関わらず消費することをずるいと長年考えていたというので、久々の肉料理はさぞかし抵抗があっただろう。