◆くるぶし程度の水深の隣で「僕だけが2メートル下にいた」
一気に川に向かって駆け出した子どもたち。事故は突然起きてしまいます。
「友人たちは川の深さがくるぶしくらいのとても浅いところにいたので、僕もすぐにそこへ向かったんです。でも、ふたりに近づいた瞬間、目の前が真っ暗になって……。
意味も状況も分かりませんでした。転んで頭を打ったのかと思った。ただ、息を吸おうとしたら、鼻と口から思いっきり水が入ってきました。水の中に自分がいると気がついたのは、その瞬間でした」
くるぶしの深さの場所で、まさか溺れるなんて。必死に水の中から見上げると、数十センチ離れただけの友人たちの“足”が見えたそうです。
「僕がいた場所は、くるぶしの深さじゃなかったんです。当時160センチくらいの僕の身長でも、川底に立つことはできませんでした。深さは軽く2メートルはあったと思います」