◆卵子凍結を公表しようと思った理由

小松原美里さん
 今はまだ一般的に認知されているとは言い難い「卵子凍結」。尊さんをはじめ、周囲からはどのような反応があったのでしょうか。

「みんな最初は『卵子凍結? それって何?』という様子で、存在そのものを知らないという人がほとんどでした。

 卵子凍結についてまったく知らないところからスタートしたのは私も同じだったので、まずは一緒に資料を見ながら少しずつ知っていくところから始まり、だんだんと理解してもらったという流れでした」

 卵子凍結を決断してから、手術の準備を進めていることを自身のSNS上で公表した小松原さん。その背景には、卵子凍結をはじめ女性の身体に関する情報について、正しい情報を知ってもらいたいという強い思いがあったといいます。

「私自身、卵子凍結の準備をするうち、自分の身体について新しい知識を得ることが多かったんです。たとえば卵子のもとになる細胞は、生まれたときにはすでに一生分の数が決まっているということだったり、その数は病院に行けば検査で分かるということ。そういった情報があれば、『今、自分にできることはなんだろう』と具体的に考えられるのではないかと思います。

 AMH検査(卵巣の中に卵子がどれくらい残っているかを調べるための検査)の結果を知ったときに、自分のAMH値が比較的低いことが分かり、『あと数年後だったら、卵子凍結をするのが難しくなっていた』と言われて、今やっておいて本当に良かったなと思いました」