◆卵子凍結に関する情報や知識はまだまだ広まっていない
また実際に手術を受けた所感について、次のように説明します。
「卵子凍結の手術は、局所麻酔と全身麻酔が選択できます。過去に、私のマネージャーさんが他のクリニックで卵子凍結の手術を経験していたのですが、その時は局所麻酔だったということで『術中かなり痛みがあったので、個人的には全身麻酔がおすすめ』と聞いていたこともあり、私は全身麻酔を選びました。
手術時間自体は30分程度だったのですが、そのあとはよく眠り、痛みもそこまで強く感じませんでしたね。術後1週間が経過した今は、トレッドミルなどでトレーニングを行っていますが、だんだんと体幹の筋肉の感覚が戻ってきています」
手術を終えた今、小松原さんは「自分の体験を発信することで、皆さんの人生の選択肢が増えるきっかけになれば」と語ります。
「卵子凍結を公表してからは、たくさんの方から応援のDMをいただいてとても心強かったのですが、なかには『卵子凍結をするということは、他の誰かが代理出産をするということですか?』といった内容のものがいくつかありました。
私は、自分の体内で受精させて出産するために卵子凍結を決断したのですが、代理出産と混同されている方が想像以上に多く、『まだまだ卵子凍結に関する情報が世の中に行き渡っていないんだな』と気づかされました。
そういった状況で術前に全容を把握することは難しいので、手術を受けることを検討するなか自力で情報を収集するだけでは、不安も募るのではないかと思います。
もしも卵子凍結に関心を持った方がいたら、まずは自分の身体の状況を把握するためにも、専門家であるお医者さんに相談して、その上で自分のライフプランに合った選択を取っていただきたいですね」
<取材・文/菅原史稀 監修/六本木レディースクリニック院長・小松保則(卵子凍結に関する部分) 撮影/山田耕司>