この話で思い出したことがある。『M-1』決勝のランジャタイのネタで、オチのあと暗転が遅れ、2人が舞台上を一瞬、彷徨うような状態になったことがあった。この原因を、国崎は『M-1』後の配信や雑誌の取材で、スタッフに、実際のオチと違う「もういいよー!」で終わると、ふざけて伝えてしまったことだと語っている。

 だがおそらく、ここまで見え方にこだわっている国崎のことだ。ネタの後、暗転せずに困惑する姿を全国放送に乗せることもまた、意図した行動だったのだろう。

 動画の最後に、野田が改まって国崎に問う。

「漫才とは、なんでしょう?」

 国崎の半笑いが目に浮かぶ。

「コントのほうが、僕は好きです」

 もう2人は爆笑している。