2020年、マヂカルラブリーがほとんど掛け合いのない「吊り革」ネタで『M-1』を制し、「これは漫才か、漫才じゃないか」という “漫才論争”が巻き起こったことがあった。

「翌年に、もっと漫才じゃないランジャタイさんが現れて、中和されたんですけれども」(野田)

 実際、野田はマヂカルラブリーのネタについて、異端であるとの意識はさほどないようだ。ランジャタイが『M-1』決勝進出を決めた直後の『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)で、その認識を明かしている。

「(マヂラブの漫才は)奇抜な料理が出てきたみたいな。邪道ではあるけれども、パスタではある」

 野田によれば、21年の『M-1』決勝進出者は、パスタで言えば「皿に皿を盛り付けて皿で食ってる」ようなものだという。ランジャタイは、例えれば「建物。建物とかを出されているようなもの、これがパスタですと」、真空ジェシカは「出入りじゃないですか? 現象です。人の出入り。これです」。

「僕たちがバレてしまうわけですよ。全然普通じゃん、と。ビビってたんだって。勝負した感を出してたけど、毒がないっていうか」