むしろ水族館や海・川などで魚に接することがあるおかげで、魚への興味が非常に高いことがわかります。ためしに野菜と魚介類を並べてみると、魚さわってみたい! 食べてみたい! というリアクションが返ってくるのではないでしょうか。

 ある日私は煮魚を作るために金目鯛のウロコ取りをしようと考えていたとき、小学生の息子に「やってみたい! やらせて欲しい!」と言われました。器具の構造はシンプルで、包丁を使うよりも安全性が高いと感じたので、ウロコ取りの方法を説明して任せることにしました。

 すると子どもは想像以上に大喜びして、楽しく取り組んでくれたのです。「ウロコってこんなにびっしりついているのか! ヒレもたくさんあるね!」などと、自ら発見をすることで、楽しい時間と学びになった様子。

 このときに気がついたことがあります。それは、魚には骨、ウロコ、ヒレなどがあり、それらがどのような構造になっているかについて子どもが知らなくて当然であるということ。

 図鑑で知ること以上に、子どもの手や五感を使ってリアルに体験することには価値があるということ。もちろん親の私も知らないことがたくさんあるなと実感。そのような実践を通して、我が家では急いでゴールを設定せずに、楽しみながら一緒に学んでいくような雰囲気を作ることを心がけています。

◆毎日魚料理を出してくれた母に教えられたこととは?

魚
私は毎日魚を食べて育ちました。肉も野菜も食べていましたが、魚を意識して食卓に出す母には理由がありました
 私が子どもとの食事や食育を考える上で、魚食を大切にする理由はもう一つあります。

 それは母の影響によるもの。私の幼少期時代を振り返ると、食卓に毎日魚が登場していました。母にその理由を聞いたところ、「たんぱく質は身体の基本だし、脳の6割は脂質でできていることを知って、魚食で質の良い脂質をとることを意識していたからよ。あなたたちが干物や煮魚を自分でほぐして食べている姿は本当に楽しそうだったわ!」との回答が。