このように、ファマグスタは地中海貿易の中心地として栄えた一方、常々支配され宗主国が次々と変わってきた過去から、徐々にその歴史と文化が凝縮されていったのです。特にビサンチン(東ローマ帝国)とヴェネツィア時代はフレンチゴシック、ルネサンス様式の美しい建築物が多く建設され、その面影を今も残す最高に魅力的な街なのです。

街に多く点在するビサンチン&ヴェネツィア建築

ファマグスタ旧市街に点在する主なビサンチン&ヴェネツィア建築をご紹介します。かなり小規模ではありますが、パレスティナのエルサレム にも似た旧市街の造りにエラく感動。

それでは、当時のままの建築物を残すファマグスタの旧市街をご紹介します。

聖ニコラス大聖堂(St. Nicholas Cathedral)

ファマグスタの中央広場にある聖ニコラス大聖堂は、十字軍時代のエルサレム王やアルメニア王の戴冠式に使用された由緒ある大聖堂です。

地中海でもっとも美しい建物の一つとして知られているそうです。

現在は「Lala Mustafa Pasha Mosque」と名前を変えています。オスマン帝国の統治下ではモスクに回収されました。まあ、どこからどう見ても教会ですが、チョコンとミナレット後付け。笑

1298年から1312年にかけて建設されたこの教会は、この旧市街の中心、かつメインともいえる壮大な建築です。

この部分だけ取り出したら、西欧のどこかの教会と全く遜色ないですね。旗はトルコ(左)と北キプロス(右)。

ベネチア宮殿(Venetian Palace)

聖ニコラスの広場を挟んで向かい側にはベネチアン宮殿が建っていました。

3つのアーチの入り口は16世紀に建設され、中央のアーチのキーストーンには、1552 年にジョヴァンニレニエの紋章が刻まれています。

13 世紀にリュジニャン王の統治下でゴシック様式に設計された王宮でしたが、後にジェノバ人によって破壊されたそう。