まだまだ斎藤劇場は続いていく。

 さて、石破茂総理が誕生した。石破は比較的女性天皇を支持していて、もしかすると愛子天皇誕生へという期待がわずかだがある。

 しかし、文春が報じているように、現実的には難しいのかもしれない。

 9月13日に95歳で死去した元最高裁判事の園部逸夫は、文春によれば、女性・女系天皇容認の報告書をまとめた「皇室典範に関する有識者会議」で座長代理を務め、その後も女性天皇容認論のけん引者となった人物だという。

 その園部が約5年前、文春の記者の取材に応じていた、こういっていたという。

 園部が座長代理を務めた有識者会議が発足したのは、2005年1月。当時の皇太子一家に男子が生まれず、将来の皇位継承が切実に危機に瀕していた頃だった。

 有識者会議は約1年間の議論を経て、皇位継承は男女問わず長子優先とすべきと結論づけた。

 2006年1月26日。小泉純一郎首相(当時)はこの報告書を受けて、「審議していただいた内容を3月までに必ず法案にして皇室典範を改正します」といったという。
しかし、そのわずか12日後、秋篠宮紀子さんの懐妊が明らかになって、法案提出は幻に終わった。

 しかも、園部は文春のインタビューで、愛子天皇実現には否定的であったという。

「女性天皇に伴侶ができた場合にどうするか。みんな眞子さまの状況を見て、『これは大変なことになる』と思っているでしょう」

 さらに続けて、

「本来なら、天皇陛下の直系のお子さまである愛子さまが天皇になられるのが望ましい。ですが愛子さまだって、どこの誰と結婚なさるかわからないわけです。そうなると、女性天皇容認の人ですら『男性天皇のほうが問題も少ない。まして、今は男子の後継者がいるのだから、なぜわざわざ女性天皇を選ぶ必要があるのか』となるでしょう」

 未だに、こうした考えが根強いのでは、国民がいくら愛子天皇を望んでも、実現は難しいのではないか。残念なことである。