バンドは解散し、失意の加藤も姿をくらましてしまった。
加藤は作詞家の安井かずみと暮らし始め、その後彼女と再婚する。
新田にいわせると、「トノバンという天才のそばで、彼のために尽くし続けてきたミカは、どこかで疲弊し、擦り切れてしまったのかもしれません。自らの才能以上の注目を浴びてしまっているという重圧もあったでしょう。音楽のために本気で闘っていると、ときに自分の力ではどうにもマネジメントできないことが起こってしまうものです」。その後ミカは、音楽プロデューサーのもとからも離れ、1990年前後に日本へ帰って来たそうだ。
だが、加藤が自ら命を絶った2009年を境に、ミカとは連絡がつかなくなり、今でもどこにいるのかわからないという。
一時代を築いたミュージシャンたちが、気付くと時代から取り残され、失意のうちに消えていく。
今、時代の寵児たちも、明日はどうなるかしれない。重く悲しい話である。
ところで、あの斎藤元彦兵庫県知事が、全会一致で可決された不信任に対して身の処し方を発表した。
「兵庫県議会による不信任決議が可決された斎藤元彦知事は26日、失職して出直し選挙に立候補すると表明した。選挙戦では『斎藤県政を続けるか、どうするかが争点だ』と説明。特定政党の支援は求めないという。再選すれば任期は新たに4年となる」(朝日新聞Digital9月27日 5時00分)
文春によれば、決断するまでにNHK大阪やMBSの情報番組など、多くのテレビに出まくり、自説を滔々と述べていたそうである。
少しでも露出を増やして、選挙を有利に進めようという魂胆だという。
だが、選挙にはカネがかかるが、それも昨年、政治資金パーティを開き1600万円ほど“稼いでいた”そうである。
たしかに知名度は抜群である。悪名は無名に勝る。有権者の中には「有名人好き」もいるだろうから、一概に、当選するはずはないといい切るわけにはいかないようだ。