藤川は総裁選にもその力を発揮した。3番手だろうといわれていた高市早苗を1回目の投票で1位に持ってきたのである。

「選挙プランナーの藤川晋之助氏が17日、自民党総裁選(27日投開票)で高市早苗経済安全保障担当相(63)の陣営に支援に入っていると明らかにした。藤川氏によると、石丸氏のときと同様、大手コーヒーチェーン『ドトールコーヒー』の鳥羽(とりば)博道名誉会長を通じて支援要請があったほか、高市氏の国家観に共鳴したという。『選挙参謀ではないが、告示前から陣営にアドバイスしている。SNSや動画投稿サイトの部隊を動員するなどして党員・党友票(地方票)の獲得に取り組んでいる』と話した」(産経新聞ネット版9/17(火) 10:10配信)

 決選投票で高市首相誕生か? そう大方は思っていた。惜しくも僅差で石破茂に敗れはしたが、藤川の力畏るべしかもしれない。

 さて、5度目の挑戦で総裁・総理の座を掴んだ石破茂だが、第1回投票では議員票で圧倒的に高市早苗に負けていたため、決選投票での逆転は難しいだろうと、誰しもが思っていたはずである。

 高市のウルトラ保守的な考え方に反発する議員はいても、情勢をひっくり返すほどいるとは思えない。ましてや旧安倍派は、前回、安倍が陣頭指揮をして票を取りまとめ、3位にまで高市を押し上げたのだから、旧安倍派の票の多くは、安倍が嫌いだった石破に流れず、高市に行くはずだ。

 そうなると、小泉進次郎の議員票が菅義偉の一声で石破に流れたとしても、数では足りない。

 麻生太郎は石破嫌いだから、派の票は高市に行くとみられる。

 追い上げはするだろうが、高市優勢は変わらない。テレビを見ていた私も、やや諦めかけていた。

 だが、安倍より右の、極端な思想信条を持つ高市が、もし、総裁・総理になれば、何をやりだすかわからないという恐怖があった。

 今の自民党にはリベラル派などごくごく少数だろうが、その人たちが動けば山が動くかもしれない。