◆中学受験を少しでも有利に
「通わせている親はほとんど、いずれ来る中学受験に向けていまからアドバンテージをとっておくのが目的でしたね。小学校3~4年生で本格的な学習塾に入る前に、ある程度の段階までは下準備しておこうという感じです」
公文などの学習教室や通信教育、英会話などはいまの時代でもめずらしいものではなく、程度の差こそあれ多くの家庭がやっている取り組みだろう。しかし歩さんたちの早期教育事情は、より効率よく、より目標に近づけるよう、熱意がフルスロットル状態だ。
「とあるお母さんは、その授業を詰め込んだうえ、わずかな待ち時間に漢字検定の勉強をさせていました。よっぽど漢字が好きな子どもとかならいいですけど、幼稚園児に検定を受けさせて意味があるのか」
「車で通っていた別のお母さんは時間がないからと、食事はいつもコンビニのパンですませ、車内で歯磨きをさせるのが日常。もちろん、この教室以外にもいろいろなものに通わせていました」
有名幼児教室である七田式や速読トレーニング。音楽、体操、スイミング。習い事としてはめずらしくないものが多いが、そのコミュニティではすべてが「頭がよくなるから」という点が重要視されていた。
「なかでも驚いたのは、絵本の読み聞かせです。私の場合だと、昔好きだった絵本だからとか、早く寝てほしいからというのが、読み聞かせする理由です。ところがそこでは“知能のため”という目的がはっきりある」
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