◆子どものストレス、親の熱狂
逆に静かだけど、目が死んでいる印象の子や、チックが出ている子もいたという。
「あるとき、特にひどく暴れてケンカした男の子に『大変だったね』と声をかけたら、すごいキョトンとしていて……親から、自分自身が重んじられている、大切にされているとわかるような声のかけられ方をした経験があまりないのかなと思いました」
その後、歩さんはその男の子には異常なくらいに懐かれてしまったそう。
そうした惨状があろうと、教室側はビジネスだ。おかまいなしに、親をどんどんけしかけていく。毎月の成績を発表して上位者の名前を貼りだし、がんばりを可視化。達成感や競争心をあおっていく。
さらに授業の終わりには、カリスマ的な塾長のありがたいお言葉を、保護者が聞く時間も設けられている。
「うちの教室の卒業生はいまこんな活躍をしていて~という内容が中心だったかな」
「本部は地方なんですが、そうやって全国の支部を回るんですよ。強烈なキャラクターで、ちょっとどこぞの教祖様みがありましたね」
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