◆「怪しい人について行かないでね」では防げない理由

 巧みな手口で加害行為をする小児性犯罪者もいる現状。性被害から子どもを守るため、どのような防犯策が有効なのでしょうか。

「まずは親御さんが、加害者の行動パターンについてある程度知っておくことが重要です。よく子どもにする声がけとして『怪しい人について行かないでね』といったものがありますが、実際の小児性犯罪者は“透明人間”になる。

 つまり、見るからに怪しげな特徴はなく、目に見えないほど周りの景色に溶け込んでいるという意味です。性犯罪は被害者からの告発があって初めて加害者の輪郭が明らかになる。彼らの実態を理解するには、こちらが彼らの行動パターンを把握し、そこから慎重に見極めることです。

 また、児童が被害に遭いやすい環境を知ることも防犯に有効だと思います。子どもが日常的に通りかかる通学路などの環境を共有し、人目に入りにくい死角などを一緒に確認したり、防犯マップを使って近隣の情報を把握、さらに被害に遭いそうになったら助けが求められるお店や知人宅などのスポットを教えておくなどするといいでしょう」