◆「男の子だから大丈夫」ではない
また斉藤氏は、200名を超える小児性犯罪の加害者臨床に携わってきた経験から、あえて男の子を狙うという加害者の多さについて指摘します。
「児童の性被害といえば、一般的には女児が被害者になるイメージを持つ人が多いのですが、男児の被害も現場では多数報告されています。男児は性被害に遭わない、という誤った固定観念から『うちの子は男の子だから大丈夫だろう』と考えている親も少なくありません。
しかし加害者によれば、男児はスカートよりも脱がせやすいズボンを履いていたり、子ども同士で性器を出してふざけて遊んでいることなど、女児よりも人前でズボンを脱ぐことに抵抗感が低い子も多いので、犯行時に手がかからないというのです。
ジャニー喜多川氏の性加害疑惑報道を取り巻く議論では『加害の対象になったのは、美しい容姿も関係しているのだろう』のような声も上がっていました。しかし性暴力は『子どもは、大人よりも弱い立場にいるために何をされているかわからないし、誰かに口外することはないだろう』といった加害行為を実行しやすい構造によって発生するものなので、外見の良し悪しに関わらず『子どもである』というだけで、被害者になる可能性は生まれてしまうのです」
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