おつとめが終わると一転、
「パレードのはじまりでぇす!」
と、司会者の景気の良い声がマイク越しに響くと、頭上でドッカンドッカンと花火が上がり、参加者のボルテージはマックスに。
そうして参道(?)の入り口から続々とパレードがやってくるのですが、これまで想像していた「てきとうな着ぐるみがわらわら手を振ったり練り歩く」を根底から覆してきたのが、先頭を歩く天理教校学園高等学校のマーチングバンド。
え、プロ!? プロなの!?
一糸乱れぬ行進と純度の高い演奏に、またしても鳥肌ゾクゾク。今すぐにでも自衛隊音楽隊に入隊できそうです。
彼らに、エレクトリカルカーや各県や地域で結成された鼓笛隊、チアリーダーが続き、
1時間ほどでパレードは終了となります。
すごいのが、これ、10日間毎日やっていること。普通のお祭りは1〜2日が関の山じゃないですか。朝から晩まで、このクオリティをぶっ続けて、今年は公式発表によると22万1098人の参加者がいたようです。
これは、日本音楽史上伝説として語り継がれる、1999年7月31日に行われたGLAY EXPO '99 SURVIVAL、通称「GLAYの20万人ライブ」に匹敵する数です。伝説と同レベル、すごい。
天理教「おぢばがえり」の真の目的は……
さてその後、詰所(各地域ごとの宿泊施設のような場所)に1泊するのですが、小学生たちは寝ません。夏休みの子どもの本領発揮です。夜中まで騒ぎまくる彼らを、義弟が「早く寝ろ!」と叱りに行くと。
「いやだ! だって、俺のおぢばがえりはこれが最後なんだよ!」
甥の、悲痛な叫び。そう、信者の息子である甥は、来年からはひのきしんに参加しなくてはなりません。中学生になったらお茶汲みして、高校生、大学生、新社会人あたりまではスタッフ側にまわり、さらに自身が子どもを持つと、次は引率係として、近所の子ども10人中1人くらい入信してくれたら万々歳。と、こうして脈々と天理教精神を受け継いでいくのが、「こどもおぢばがえり」の真の目的なのではないでしょうか。