◆キャラクターの濃淡をより明確に
錦戸のこれまでの作品を振り返ってみると、両親が殺されたり、幼少期の辛い記憶に苦しめられたり、自身が起こしたかもしれない罪に苛まれたりと、わりと重いバックボーンを背負っている役柄が多い(個人的には重い責任を背負わされることが多くないか?とも思う)。
もちろん、どんなキャラクターだってバックボーンはあるが、人格形成に影響があるほどの重さ。しかし、重い過去があったとしても、人は笑うし、喜びを溢れさせる。そんな陽の部分を際立たせることによって、影の部分がより濃くなる。
『Re:リベンジ-欲望の果てに-』でも、ふとしたときに見せるキャラクターとしての素の表情と、気持ちを隠した仮面をかぶった表情のコントラストが物語に深みを持たせてくれている。キーマンであることに変わりないが、終盤にかけてどのような表情を見せてくれるのか。物語の展開と共に期待したい。
<文/ふくだりょうこ>
【ふくだりょうこ】
大阪府出身。大学卒業後、ゲームシナリオの執筆を中心にフリーのライターとして活動。たれ耳のうさぎと暮らしている。好きなものはお酒と読書とライブ