ドラマ第40回は「天下人家康」と題されており、秀吉の予見どおりに家康の存在感が増していくことになりそうですが、秀吉逝去後の混乱ぶりのひとつとして、石田三成と、加藤清正(渕上泰史さん)たちとの関係悪化が露骨に表面化していくさまも描かれそうです。これまでドラマではほとんど触れられませんでしたが、清正らはもともと三成と折り合いが悪く、三成は、朝鮮出兵中の清正らの活躍を低く評価するような報告を秀吉にしたことなどから、清正たち「武断派」と三成ら「文治派」の関係は大いに悪化していました。
そうした状況下において、この両派閥の間に立っていたのが、秀吉からの信頼が厚く、家康に継ぐ権力の持ち主だった五大老のひとり、前田利家でした。利家は心情的には「武断派」に近かったとされますが、庇護を求めて自分にすりよってきた三成のことも気にかけていました。それゆえ三成にとって、慶長4年(1599年)の利家の死は大ダメージとなったのは間違いありません。こうした家中の複雑な人間関係もドラマで描かれることに期待したいですね。
全48回の『どうする家康』は残り10回を切りました。最終回に向けてどのように史実との整合を試みていくのか、あるいはこのまま独自路線を貫くのか、興味深いところです。
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