■バカと平等の話

 16歳の少女のお産のシーンと、はずきさんが院長からヨウコさんの出生の秘密を明かされるシーンが、しつこく、しつこくカットバックされました。院長の話は、はずきさんがいかに「まごころ」にとって要らない子だったかという詳細な解説でした。

 それでも産まれてきちゃう。

 先代は絶対に男の子がほしかった。

 それでも産まれてきちゃう。

 自分が女だったから、父親は浮気してでもほかの女に妊娠させた。

 それでも産まれてきちゃう。

 同じ女に産まれたのに、あの岡山弁の女は、自分がなれなかった医者になった。

 それでも産まれてきちゃう。

「望まれずにこの世に産まれた子は、ずっとつらい。ずっと苦しいの。忘れないで」

 はずきさんはその言葉を絞り出すと、ヨウコさんをにらみつけました。