院長の子は血のつながっていない米国人父のもとですくすくと育ち、父に憧れて医師になりました。そして、いろいろあって来日し、実の父である院長の病院に舞い戻ってきたのでした。その名をヨウコ・ニシ・フリーマンといいます。よりによって医者かよ。その事実は、医者になれずに、それでもなんとか折り合いをつけて実家の病院で働いてきたはずきさんに甚大なダメージを与えることになりました。
その「まごころ」では、そこらへんに転がっていた16歳の少女のお産の真っ最中。無事にお産は成功し、16歳の母親になった少女には母性が目覚めますが、その光景を目の当たりにしたはずきさんは激昂してしまいます。
「何考えてんのよ、バカじゃないの、勝手に子ども作って、勝手に産んで、捨てようと思ったけどやっぱりかわいい? バカか! 想像力が足りない。あんたみたいなバカな女は母親になんかなれない。なる資格がない。どうせ男連れ込んで、育児放棄(後略)」
そのはずきさんの言葉を、“バカな女”に勝手に作られて産まれたマユも聞いてしまっていたのでした。