◆露出はしないでどこまでエロを想起させられるか
今期の注目作『不適切にもほどがある』(TBS 脚本:宮藤官九郎)で、2024年なら「不適切」とそしられそうな86年の番組に出ている露出の派手なタレントに対して「なぜ自分がここに呼ばれどう振る舞うべきかちゃんと心得えている。求められる役目を誇りをもって果たしている」と讃(たた)えるセリフがあった。
篠田も小池も藤原もまさに「求められる役目を誇りをもって果たしている」のだろう。
露出はしないでどこまでエロを想起させられるか、「離婚しない男」はそのバカバカしい取り組みに親権に、もとい真剣に取り組んだドラマなのである。でも、やっぱりオリジナルで引退してほしかった。
<文/木俣冬>
【木俣冬】
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami