NISAは取り扱い商品の数が豊富で、さらに投資方法には制限がありません。つみたてNISAやiDeCoが毎月コツコツと商品を買い続ける積立方式に限定されているのに対し、NISAはより積極的に自分で投資を行いたい人に向いていると言えるでしょう。
今回はNISA口座をどこで開設すればいいのか迷っている方に向けて、証券会社3社を「商品の豊富さ」でランク付けしました。
またNISAとはどのような制度なのか、メリットもあらためて解説してきます。
NISAとは?メリットを復習しよう
NISAのメリットをもう一度確認しておきましょう。
NISAで投資をすると税金面でお得
NISAは2014年に始まった、少額からの投資を行う方のための制度です。
普通であれば投資をして利益が出ると、その利益に対して20.315%の税金がかかります。ところがNISAで運用すれば5年間、その税金が非課税になります。
投資をして出る利益には「譲渡益」と「分配金」があり、NISAではそのどちらも非課税になります。
このため、NISAを活用することで「賢く資産運用」することができるのです。
毎年120万円を5年間投資ができる
NISA口座では、毎年120万円分まで株や投資信託が買えます。
購入した金融商品を運用して出た利益が5年間非課税になるので、この120万円は非課税投資枠と言われます。
NISAでは非課税投資枠を利用できるのは最長5年なので、この非課税投資枠を利用して投資できる金額は最大600万円になります。
FPが選ぶ、NISA口座におすすめの証券会社ベスト3!
NISAは通常の証券口座は使えないため、「NISA専用」の口座が必要です。このNISA口座は一人につき1口座しか作れず、1年間は変更ができません。
そのため、どの証券会社でNISA口座を作るのかは、慎重に選びたいものです。
数多くある証券会社から一つに絞るのは難しいかもしれませんが、証券会社を選ぶ際は「自分が投資をする可能性がある商品」を幅広く取り扱っているかどうかが重要。つまり、「商品の豊富さ」に注目して選ぶことをおすすめします。
そこで今回は、「NISAで選べる商品の豊富さ」を比べて3つの証券会社をランク付けしました。
SBI証券
ネット証券最大手のSBI証券は、NISA口座を開設する証券会社として一番のおすすめです。
●IPO取扱数ダントツのトップ
IPOの取扱数では、SBI証券はダントツの多さ。2019年4月から2020年の3月までの上場会社92社中、SBI証券では93.5%とほとんどの会社の取り扱いがありました。
利益の出る可能性が高いIPO。運用益が非課税のNISA口座で、IPOの選択肢が多いというのは大きな魅力です。
●外国株式もネット証券最多
SBI 証券のNISAは商品ラインナップが豊富です。特に外国株式についてはネット証券最多の9ヵ国の取り扱いがあり、多くの方の投資ニーズに応えてくれるでしょう。その他、投資信託の本数も2,570本と楽天証券に次ぐ多さとなっています。
楽天証券
楽天証券を2位に選んだ理由は、投資信託の数の豊富さです。
●豊富な投資信託数
楽天証券で取り扱う投資信託2,686本がすべてNISA対象。これは今回紹介している5社の中でトップの本数です。
投資信託は100円から購入できるものもあるので、NISAの「120万円」という投資枠を使い切りやすいというメリットがあります。楽天証券のように投資信託の選択肢が多くあるというのは、NISA口座を選ぶ際に重要なポイントだと言えるでしょう。
●外国株も購入可能
米国・中国・アセアンの外国株を購入できます。中でも米国株式数は2,960銘柄!分散投資したいと考えている人にもおすすめです。
投資信託、外国株ともに充実している楽天証券のNISAですが、IPOはNISAでは対象外な点には注意しましょう。
マネックス証券
マネックス証券は、業界No.3のネット証券。本ランキングでも3位としました。強みは何と言っても外国株、特に米国株・中国株の取り扱い数にあります。
●米国株、中国株は合わせて5,000銘柄以上!
マネックス証券では米国株は3,000銘柄以上の取り扱いが!さらに中国株は香港証券取引場に上場しているほぼ全銘柄を取り揃えているのも強みです。米国・中国株に興味がある方にとって、選択肢が多いというのはやはり大きな魅力と言えるでしょう。
もちろん米中株だけでなく、1,000本以上の投資信託、IPO実績も48社とバランスの良さも兼ね備えています。
NISAの注意点やデメリット
口座は1人1口座まで
銀行口座や証券口座は1人で複数持つことができますし、実際に生活用口座や貯金用口座、投資用口座などと使い分けている人も多いと思います。しかしNISA口座は1人1口座しか持つことができません。
一度どこかの金融機関でNISA口座を開設すると、別の金融機関で口座を開設したくなった時、元の口座は解約しなければならないということです。
そのため、馴染みの金融機関でとりあえず開設しようと考えるのではなく、はじめに慎重に選びましょう。また、NISAには今回ご紹介している一般NISAのほか、特に少額からの長期・積立・分散投資に適した「つみたてNISA」もありますが、NISA(一般NISA)とつみたてNISAの口座はどちらか一方しか持つことができません。
NISA口座を開設するとつみたてNISAの口座は開設できなくなることにも注意が必要です。
5年後の取り扱いによっては損をすることも
NISAの非課税期間は5年なので、5年以内に利益が出て売ることができれば、本来かかるはずだった税金がかからなくてよかったね、で済みます。
しかし、買った株式の値段が5年後下がっていたなどの理由で売るタイミングではない時はどうすればいいでしょうか。
この場合、翌年の非課税投資枠に資産を移管するロールオーバーと、普通の課税される証券口座に移管する2つのパターンがあります。
【ロールオーバーの場合】
例えば2020年にNISAで買った投資信託の非課税期間は2024年末で終了します。これを同じ金融機関で2025年もNISAを利用する場合、2025年の非課税枠に2020年に買った投資信託を移管することができます。
つまり、実質的に非課税期間を延長できるということです。
【NISA口座ではなく一般の証券口座に移管する場合】
この時は注意が必要です。
証券口座は「利益に税金が発生する」ことは前述しましたが、NISAから資産を移管した場合、その移管した時の値段が利益と損失の基準になります。例えば、2015年にNISA口座において100万円で買った投資信託が、2020年には60万円に減っていたとします。
この60万円を一般の証券口座に移管した場合、この商品を60万円で買ったのと同じ扱いにされるということです。仮にその後、運用が上手くいって買った時の値段である100万円に戻せたとしても、その状態で売ると60万円からの利益40万円に対し、20.315%の8万1,260円税金がかかってしまいます。
NISAの口座選びは慎重に行おう
NISAは運用で得た利益に対してかかる税金が非課税になるのが一番のメリットですが、利益を出すためには当然投資に関する知識と商品選びが大切になります。今回は自分にあった口座の選び方とNISAにおすすめの証券会社を紹介しましたが、まずは自分がどのような投資をしたいのか考えてみることが大切です。その上で、自分に合った商品やサービスがある証券会社を選んでみてください。
【NISAについてもっと知る】
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