◆戦でぶつかる“人間”の想いや熱さを描いている
漫画でも映画でも、『キングダム』は戦を戦としてのみ描くのではなく、そこにいる“人間”、そこにある”想い“のぶつかり合いを描いています。公開中の『キングダム 大将軍の帰還』は、シリーズ最終章と銘打たれているだけあって、“人間”も“想い”も受け止めきれないほどの熱量。冒頭から、涙なくしては観られませんでした。
戦闘シーンも圧巻ですが、やはり心を動かされるのは登場人物たちの“想い”の強さ。原作キャラたちの想いに、演者たちの想いが重なり、より強く、美しく映りました。これまで戦いから離れていた王騎がなぜ総大将として、再び戦場に戻ったのか。王騎と龐煖(吉川晃司)が交える刃の意味とは。信の大きな夢を、目標へと変えていく王騎の姿。映画館でしか愉しむことのできない、圧倒的な迫力映像で『キングダム』の世界を堪能できることは、大きな喜びです。
<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>
【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201