奨学金制度のメリットとデメリットは
続いて、奨学金制度を利用することのメリットとデメリットについて見てみましょう。
奨学金制度のメリット
まず奨学金制度のメリットとして挙げられるのが、通常の教育ローンなどと比べて金利が低いことです。また、貸与基準が通常の教育ローンほど厳しくないため、一般的なローン審査では通過しにくい家庭の場合でも、奨学金制度なら利用できることもメリットと言えます。
さらに貸与型奨学金の場合、学生自身が大学などを卒業して就業するまで、返済を待ってもらえるケースが多いのもメリットです。
奨学金制度のデメリット
一方で、奨学金制度のデメリットとしてまず挙げられるのが、返済期間が長いことです。多くの場合、学生本人が自分で少しずつ奨学金を返済するため、たとえば年間36万円、総額144万円借りると、返済に13年ほどかかるケースもあります。ただし繰り上げ返済を行えば、返済期間や返済額を少なくすることも可能です。
また、奨学金を受ける場合、実際にお金が口座に振り込まれるのは、学校に入学した後になります。さらに言えば、一度にまとまった金額が振り込まれるわけではありません。そのため、入学金については別途用意する必要があり、それもデメリットだと言えるでしょう。
なお、新しい給付型の奨学金に関しても、「入学金を減額・免除」となってはいますが、こちらも支給自体は入学後になるため、入学金の納付が猶予されない大学の場合は、入学金を一旦自分で用意する必要があります。
奨学金制度を利用する前に意識しておきたいことは
最後に、奨学金制度を利用するうえで覚えておきたいことをいくつかご紹介します。
奨学金=借り入れであることを理解する
給付型奨学金の場合は返済不要ですが、貸与型奨学金の場合は、卒業後に返済する必要があります。つまり、実質は借り入れをして学校に通っていることと変わりありません。なお、奨学金を返済できなくなった場合には救済措置があるものの、延滞してしまうと法的処置がとられるケースもあります。
貸与型奨学金の場合は、「奨学金だから大丈夫」ではなく、あくまで「お金を借りている」と理解して、利用を考えましょう。
卒業後の生活を考慮して金額を決める
先述した通り、貸与型奨学金の場合は、卒業後に働きながら自分でお金を返すことになります。そのため、卒業後の生活も考慮して、無理のない範囲で借りる金額を決めることが大切です。
新社会人のおおよその手取り額はもちろん、ひとり暮らしをする予定の場合は食費や居住費といった生活費も考慮して、返済可能な金額を考えましょう。なお、日本学生支援機構の公式HPなどでは、返済シミュレーションを手軽にすることもできます。
奨学金は計画的に利用することが何より大切
奨学金は、資金が足りなくても大学に通いたい学生を支援してくれる、とてもありがたい制度です。一方で返済義務があるものも多く、気軽に借りてしまうと、後々返済に苦しむ場合もあります。
大学生活で実際いくら必要か、卒業後、どの程度の金額であれば返していけるかもしっかり考えて、利用することが大切です。
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