◆ポイント②青魚のような風味
今年の大きな改良点は5つ。それは、①見た目の蒲焼感を出す、②大豆たんぱく独自の香りを抑える、③鰻特有の青魚のような風味を作る、④脂感を出す、⑤香ばしさをアップするというもの。
この中でもっとも考えさせられたのが、“青魚のような風味”でした。これは鰻らしさにつながる香りで、場合によって臭さにつながるとも言われるところ。つまり鰻の好き嫌いが分かれるポイントといっても過言ではないでしょう。
この香りやにおいの風味面で判定すれば、謎うなぎは本物と比較するとかなり控えめなレベルでした。この慎ましさをおいしいと感じるか、物足りないと感じるかは食べる人次第だなと思います。
ちょっと青臭いくらいが好きという人もいますから、ヒットのカギを握るのはまさにココにあるとみてもよいのではないでしょうか。
鰻専門店で食べるうな重に個性があるように、今回の謎うなぎは食べる人それぞれで判定が変わってきて当然。果たして多くの人々に称賛を得ることができるのでしょうか? 発売は7月11日ですから、その後の感想動向をX上でウォッチしていきたいと思います。昨年以上の大ヒットになるのでしょうか……!?
<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12