◆③加熱をすると健康成分「ポリフェノール」は激減する
オリーブオイルに含まれる健康成分と言えば、「オレオカンタール」や「オレウロペイン」という強力な抗炎症・抗酸化作用をもつポリフェノール。
ある論文(※)によれば、生のオリーブオイルと比較すると120度(炒め物)で40%、170度(揚げ物)で75%減少するそうです。
つまり、オリーブオイルは加熱に強い特性を持つものの、健康効果を期待するなら生の状態で使うのが賢明。加熱用オイルとしてオリーブオイルを選択する価値があるかは、価格高騰の問題と合わせて今一度検討してもいいかもしれません。
※論文:Domestic Sautéing with EVOO: Change in the Phenolic Profile
オリーブオイル独特の風味が好き、健康のために使い続けたいという考え方は良いものの、無理に安く買おうとすることで期待外れの製品を手にしている可能性があります。今一度何のためにどんなオリーブオイルを使いたいのか、点検してみても損はありません。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12