孤独のリスクに備える

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ひとりの老後の心構え

もうひとつの「結婚しないと孤独なのでは?」という不安。少し古いですが、独身の老後論の金字塔、社会学者上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』(法研、2007年)『男おひとりさま道』(法研、2009年)を見てみましょう。

これは主に団塊世代の未婚・離婚・死別シングルの老後を考察するものであり、10年を経て現在では介護保険制度や社会状況などに変化が起きていますが、「ひとりで老後を迎える」ということの心構えとしては、わたしたちの抱える状況も何ひとつ変わっていないと思います。

老後を支える「弱音を吐ける人間関係」

上野さんによると、日本語で「孤独」といわれるものには「さみしさ loneliness」と「ひとりであること solitude」のふたつがあるといいます。ひとりで老後を迎えるということは、「ソリチュード」を楽しむこと。上野さんは「ひとりの心地よさ」を説きますがその一方で、さみしい時はさみしいといえる相手を持っておくべし、と呼びかけています。

人間関係を家族、特に妻に依存する男性は、シングルの老後にこの「弱音を吐ける人間関係」を欠きがちになるそうです。わたしたち現代のアラフォー女性、仕事に邁進しているうちに友達関係が疎遠になってしまうと、男性と同様の轍を踏むのかもしれません。

誰だって最後はひとり、未知の領域をたくましく進もう

(写真=Blue Planet Studio/Shutterstock.com)

50歳時の未婚の人の割合を生涯未婚率といいます。現在の40歳が52歳になる2030年、女性の生涯未婚率は18.8%に達すると推計されています(内閣府、平成29年版少子化社会対策白書)。実にわたしたちの2割は生涯独身の予想。しかし『おひとりさまの老後』で上野さんは「結婚してもしなくても、みんな最後はひとりになる」と断言していますし、それはまったくの真実だと思います。

多くのアラフォー独身女性にとって自分たちの行く末は予想のつかない未知の領域ですが、先輩女性も知らない可能性も開けているかもしれません。いずれにせよ、人生はあと半分も残っています。40代独身女性、楽しくたくましくサバイブしていければいいなと思っています。

文・菊池とおこ

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