これは、「ここまでの10話はまるで無意味でしたよ」という宣言です。彼らに何もさせてやることができなかったという、脚本家からの白状です。
この最終回でハルトは、一度はフッたアスカ(広瀬アリス)を迎えに行くわけですが、その動機や決断に至るプロセスは一切語られません。「かつてアスカを好きだった気持ちを思い出した」「池沢先生にそう言われた」それ以外、何もありません。
ハルトがチャペルでの演奏会からアスカの手を引いて連れ去るシーンはいかにも“ステキ”ではあります。これが「366日」という楽曲の新しいカラオケビデオだとしたら、立派なモノが出来上がったと胸を張ってもいいでしょう。でもさ、ドラマなんだぜ。ドラマを語れよ。