そういうロボットのAIによる集団制御の世界では、こうした人の不規則な動きを「外乱」と呼んでいました。通常の稼働状態に対する外部からの干渉のことです。

 アスカやカズキたちも同じように、高校時代にインプットされた価値観によってしか動けません。今回のチケットだったり、前回のカズキの彼女の不穏な動きだったり、それこそ物語のきっかけとなったハルトの事故だったり、そういう外乱にさらされたときにAIのように対処することがあっても、更新が行われることがない。決められた目的である「素敵な高校時代の気持ち」に至っていく。

 決して更新されないAIプログラムを積んだロボットたち、そんなふうに、この5人は見えてるんです。いよいよホラーですな。

(文=どらまっ子AKIちゃん)