老後の生活費の柱ともなる年金。将来もらえないかもと不安に感じている人も多いのではないでしょうか。今回は、年金は今後どうなるのか、そして年金が減る場合にどう備えるのがいいのかをご紹介します。

年金がもらえないといわれる原因は?

将来年金がもらえなくなるといわれる一番大きな原因は、少子高齢化が今後も進んでいくと考えられていることです。

今の年金制度は、20歳~60歳未満の人が高齢者の方の年金を払うという仕組みですが、少子高齢化が進めば、単純に年金保険料を払う人が減るのに、受け取る高齢者が増えてしまい、財政がもたないのではないかと思われています。

また、こういった年金の制度を信用できなくなり、国民年金の保険料を払わない人が一時期増えたことも、年金の財政に対する不安につながっています。

将来の年金はゼロにはならないが、減額には備えよう

働いている現役世代がいる限り、年金はゼロにはなりません。しかし、受給額は確実に減っていきますし、平均寿命がのびるに従って年金をもらえる年齢も遅くなるかもしれません。

将来どのぐらいのお金を受け取れるかは、厚生労働省が発表している「財政検証結果レポート」である程度予想できます。2014年に発表された最新版では、楽観的な予想から悲観的な予想まで8通りのケースが紹介されました。

最も楽観的なケースでは、2030年の年金額は現役世代の平均賃金の57.2%、2050年には50.9%になると予想されています。また、最も悲観的なケースでは、2030年に53.8%、2055年には40%を下回る39.0%とされています。

2014年時点での年金の額は、現役世代の平均賃金の62.7%です。今の40代の方が65歳になるときには、今と比べおおよそ8割ほどに減ると予想できます。

自分で備えるための制度に目を向けてみよう

ここで考えていただきたいのは、ここ数年で新しくできたiDeCoやNISA、つみたてNISAなどの活用です。これらの制度は、加入すると税金の面で大きなメリットがあります。

年金は減るけれども、それをみなさんが自分でカバーするための制度は用意されているのです。

老後の年金も、国がすべて用意してくれた時代は終わり、それぞれの自助努力が求められる時期に入ったといえます。老後になってから困らないよう、今から準備をはじめておきましょう。

文・松岡紀史(ライツワードFP事務所代表・ファイナンシャルプランナー)

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