京都大学と徳島大学の研究チームは、これらの研究結果を9月21~23日に開催された「第82 回日本癌学会学術総会」でも発表した。今後解決すべき課題としては、瞬芽ブドウ種子成分の抗腫瘍活性メカニズムのさらなる解明、抗がん剤の副作用を軽減する機構の解明、各種がんのヒト臨床試験および研究を実施していくことが挙げられた。
「今回、主要な人癌腫は全て実験しましたが、癌腫というのはまだまだあります。また、抗がん剤との併用効果についてですが、今回はドキソルビシンという抗がん剤のみで評価しています。乳がんに特化したかたちで見ているわけですが、他の抗がん剤でも同様の増強効果が得られるか、抗がん剤の主作用に影響しないのかも含めて検証します。動物モデルによる評価やヒト臨床試験による検証に向けて、アリポフ先生、鍋島先生とともに次の臨床試験も計画予定です」(宇都氏)