抗がん剤との併用効果も確認

「マウスのがん細胞に瞬芽ブドウ種子成分を加えると、非常に低濃度の値で50%のがん細胞が死ぬ。しかも、効きが非常に早く、非常に抵抗性の高いことで知られるトリプルネガティブ乳がんと、通常の乳がん、肝臓がん、前立腺がん、子宮がんのそれぞれ細胞で、同様の効果がありました。低濃度で効果があるため、健康な人の細胞では毒性が見られず、がん細胞だけに選択的に効くことがわかりました」(宇都氏)

がんの研究・治療に新たなステージをつくり出す? 瞬芽(しゅんが)ブドウ種子成分とはの画像2

 抗がん剤の副作用も大きく抑制される、とのことで抗がん剤との併用効果に関する研究結果も紹介された。

「抗がん剤の効果を弱めてしまうと、抗がん剤治療に影響を及ぼしてしまうために行った研究ですが、この研究では乳がん細胞を使っています。瞬芽ブドウ種子成分と抗がん剤を同時に腫瘍細胞へ入れて、濃度を調整しながら調べたところ、相乗的・相加的な(加算的に働く)効果があることがわかりました。濃度によっては(抗がん剤の作用と)拮抗的な部分もあるんですが、濃度の選択をすれば相乗的な効果を得られるという結果です」(宇都氏)