さらに、TVAの施設にある無数のモニターに過去のMCU作品の映像が映し出されるなか、TVAの上官が〈チャンスをあげよう〉〈ヒーローの中のヒーローになれ〉と告げる。その言葉を受けてデッドプールは〈シネマティック・ユニバースを完全に変えちゃうよ〉〈俺は救世主 俺ちゃんは…マーベルの神だ〉と宣言するのだ。
「〈シネマティック・ユニバースを完全に変えちゃうよ〉というのは、落ち目になりつつある現在のMCUを完全にイジっている。デッドプールが第4の壁を超えてくるヒーローだからこその展開ですが、ここまで露骨に自虐をするのは意外でした。また、『“ア◯ル”プレイ』という下ネタとディズニーを絡めたセリフが出てくるのも驚き。デッドプールのキャラクターを裏切らないセリフとはいえ、想像以上に攻めている印象です」(同)
異例の“自社イジり”を繰り出してきたディズニー、そしてマーベル。それだけ追い詰められているということなのだろうか。
「“ネタにできるだけまだマシ”という見方もできますが、少なくとも現状を打開しないといけない。 “ポリコレ批判”があるなか、不謹慎なヒーローであるデッドプールまでもがおとなしくなってしまったら、完全にMCUのファンが離れてしまうという危機感もあったのでしょう。今回の予告編へのファンからの反応は概ね良好ですし、ひとまずディズニー&マーベルの戦略としては成功だったと思います」(同)
ディズニー&マーベルとしては、ここでどうしてもMCUをV字回復させないといけない事情もある。というのも、MCUでは向こう3~4年ほどの製作計画がすでに組まれているのだ。