また、ディズニー傘下のマーベル・スタジオ製作のマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『マーベルズ』(2023年11月公開)は、北米でのオープニング興行収入と世界でのオープニング興行収入がMCU歴代最低を記録。同じくMCUの『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023年2月公開)は、“最低映画”を決める「ゴールデンラズベリー賞」の“ワースト・リメイク/パクリ/続編賞”にノミネートされている。

「興行収入が振るわないだけでなく、作品の評価もどんどん下がっています。ディズニーのアニメーション作品というと、ヒロインや子供がヴィランと戦いながら成長する物語が多く、それがマンネリ化しているのも事実。またMCUについては、作品数とヒーローが増えすぎてシリーズを追いきれない状況があり、多くの観客が脱落してしまいました。もちろん、ハリウッドでのストの影響もあり、スタッフの確保が難しくなったり、効果的な宣伝ができなくなったことも影響しています。特にMCU作品についてはアクションシーンやVFXのクオリティーの低下が指摘されています。観客が“ディズニー疲れ”“ヒーロー疲れ”をしているとも言われていますが、単純に作品の質の問題でもあるでしょう」(映画関係者)

 ディズニー関連作品の不振の背景には、過剰にポリティカル・コレクトネスを意識した結果、作品の魅力が削がれているからだとの声もある。

「たしかにディズニーやマーベルは、性別や人種に配慮したキャラクター作りを実践しています。それ自体は何ら悪いことではないし、積極的に取り組むべきことです。しかし意識するあまり、エンタメ性の部分が犠牲になっていた可能性も否めないでしょう。作品のテーマもメッセージ性が強いものになりがちで、何も考えずに楽しみたい観客にとっては、ハードルが高いものとなっているかもしれません」(同)