■昭和の価値観なのか、オガワの価値観なのか

 オガワは昭和では、うまくやっているように見える。同僚とも仲がいいし、娘ともワチャワチャ言い合いながらも楽しくやっている。つまり、オガワは昭和の象徴として登場している。

 そんなオガワが令和の喫茶店に入り、昼間から1人でビールを飲んでいる女性のコップを奪って、勝手に飲み干すシーンがある。

「ごめん、喉渇いちゃって」

 このシーンがめちゃめちゃ違和感があって、このドラマをどう見たらいいのか迷ってしまった。こんなやついねえよ、と思ってしまったのだ。

 こんなやつ、昭和にいたって鼻つまみ者だろと。

 その違和感はクライマックスでさらに増幅することになる。